当院の学会発表


膝痛患者に半月板整復法を試みた時の効果判定

笹原茂儀 庄司明史 菅谷佳代 中村昭治

なかむら鍼灸接骨院

キーワード:膝痛、半月板亜脱臼、半月板整復

【目的】

 現在、我国に変形性膝関節症(以下膝OA)で1,000万人の方が、膝に痛みを持つと言われている。

 スポーツ膝まで含めると、有に1,000万人以上が膝に痛みを持っている。その理由は、ヒザ痛患者は、整形外科を受診する。整形外科学の中で、ヒザ痛の原因はまだ特定されていない。このことが、ヒザ痛患者が一向に減少しない理由で、ヒザ痛の原因がわからないまま治療をしていることが、一番の問題点である。

著者は自ら膝痛で悩まされた経験から、今から20年以上前に、ヒザ痛の原因は半月板の亜脱臼からであると断定し、治療法と固定法をほぼ確立した。

「ヒザ痛の原因は、半月板の亜脱臼である」このことを証明する為に、半月板整復による治療の効果判定を行った。治療内容は、超音波画像により、半月板の亜脱臼を確認した後に半月板の整復をする。整復後、半月板再転位を防ぐ為にテープ及び著者が開発した半月板圧迫ベルトを装着して終了した。

【対象】

当院に初診時ヒザ痛を訴え、超音波にて半月板の亜脱臼やずれが認められた患者。229名を対象とした。

期間は2008年7月19日〜2009年7月31日約1年間である。すべて初診患者である。

  229名   男 73名     女 156名   

 年齢  男 15才〜85才  平均 57.5才

     女 12才〜88才  平均 59.7才

【治療】

超音波にて、半月板の亜脱臼(ずれ)を確認後、半月板整復、半月板再転位を防ぐ為にテープ及び著者が開発した半月板圧迫ベルトを装着して終了とする。

【効果判定】

 効果判定には痛みを訴えている対象者にどのぐらい傷むのかを示してもらうためにフェイススケールとペインスケールを用い、調査は無記名の自己申告法により、その場で聴取した。

フェイススケールは10段階法で、1が最高の笑顔、10が最も苦悶な顔を現す絵(図1下部)を見せ、聴取する。 

ペインスケールは3段階法で、@治療前より楽になったA治療前と変わらないB治療前より悪化した を治療後に聴取した。

【結果】

 フェイススケールは治療前の表情を表す数字の平均は7.23 治療後では2.80に改善した。
(図1)

 ペインスケールでは全ての対象者が楽になっている。
(図2)

【結論】

当院に来院した膝痛患者で半月板の亜脱臼(ずれ)が認められた患者229名に半月板整復治療をした後の効果は、すべての方に効果は認められた。膝OAやスポーツ膝で苦しまれる方にとって朗報になるであろう。

この整復治療の特徴は、痛みの改善が即座に表れることである。

著者らのこれからの仕事は、膝痛原因の究明と、この整復治療の普及である。

参考文献 省略



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